2016年特別養護老人ホーム(特養)待機者減少の秘密、介護保険はザル、待機児童問題

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入所待ちが当たり前だった特別養護老人ホームの待機者が大幅に減り始めています。仕組みがわからないと、ただ単に「老人ホームが増えて需要に対応できたのだろう…」と思うかもしれません。

考えるべきところは、2015年(平成27年)4月1日から、特別養護老人ホームへの入居者は原則 要介護3以上の者となったことです。この記事では、特養の役割から、今後の介護保険事業の展望までを考えてみたいと思います。

2014年(平成26年)3月の特別養護老人ホームの入居申込者(待機者)状況

2014年の特別養護老人ホームの入居申し込み者数は約52万人でした。(厚生労働省発表)

特別養護老人ホームの入居申込者(待機者)状況 2014年の図

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待機者を見ると、2014年の特養待機者の約3分の2が要介護3以上です。そして待機者の3分の1は今回特養への入所要件の厳格化で非対称となった要介護1・2の方です。

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要介護者は増加、特養ベッド数も増加、要介護1・2の分の待機者は2015年4月以降除外

軽度の要介護者と言われる要介護1・2の方は、民間の施設や自宅での介護に回す国の政策が形になり始めました。

あたかも国の政策が悪い、社会保証の削減だと言われれば確かにそうですが、一方面から考えるだけだと短絡的すぎる問題です。

まず、特養の順番待ちの仕組みがどのようになっていたか考えてみましょう。

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特別養護老人ホームと介護老人福祉施設の違いって?

特別養護老人ホームと介護法人福祉施設は違うものかと思われてしまいますが、法律上の表記の違いのみで実質同じです。

介護保険施設のいろいろなサービスの中で、入所の期間的な制限なく、介護を受けながら最期まで過ごせる施設形態です。

運営母体は社会福祉法人で、法人は設立認可制となっており、市町村等の自治体が窓口となっていることが多いです。

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護とは

特別養護老人ホームの内、定員が29名以下の施設です。「単独設置型特養」「サテライト型特養」「併設型特養」の3タイプがあります。

特養の順番待ち(待機)の嘘、順番通りでなく施設の都合

2015年の介護保険改定以前は、特別養護老人ホームへの入所について、要介護認定を受けていれば基本的に申し込めることになっていました。

特養の申し込みは区市町村の役所で介護老人福祉施設入所申込書、居宅・施設における介護状況報告書(様式1)をもらうだけ

要介護認定を受けていれば、あとは区市町村役場に行って、介護課などで所定の書類をもらうだけで申し込みができました。

紙自体は何部でももらえるので、それを何か所も提出することができます。

申込書の配布は区市町村、提出先は各施設のみ、複数施設のカウント重複は管理されず

「別養護老人ホームは順番待ちが500人以上」などと言われていた時期がありました。確かにそうなのですが、これだけ聞いて介護施設が足りないという口述は全く大嘘です。

介護認定は行政の見て見ぬふりが横行、いくらでもズルできる

一度介護認定されると、2年間その認定が有効になります。介護度の更新の場合には、市町村やケースによっては2年まで有効期間を延ばせます。

特養で100人待ちと言われても、要介護5で手がかからないと先になったりする

特養は社会福祉法人というあたかも利潤追求でないような法人が運営していますが、当然仕事が楽で問題が少なければそれに越したことはないと各施設考えます。

お客さんを選んではいけないという理想はありますが、手のかかる人がいっぱいいる中で、例えば寝たきり状態で要介護5だったりすると優先的に入所させたりすることも可能なのです。

介護保険の認定というのは、はっきり言ってザルなので、疾病発症直後などに動けない状態で要介護5の認定を受けたら、動けるようになってもそのまましばらくは要介護5なのです。

実際、そのような人なんてたくさんいますし、元気になったからといって介護度を下げる再審査をお願いする人なんていません。

保育園の待機児童と要介護認定者の特養待ちの計測の違い

福祉について考えるとき、極端に考えれば子どもなら保育園、高齢者なら養老院(老人施設)というものがおよそ対等の条件で提供されるべきかと思います。

しかし、実際のところは違っています。

保育園の利用の申請先は区市町村役所、本当に必要なのか細かく厳しく継続審査

保育園の利用の場合は申請も自治体に行います。さらに就業しているか、求職しているかなど、およそ2か月スパンでチェックされます。

待機児童の数は自治体が窓口なので重複なくカウントされています。乳幼児と働く親には厳しく目を光らせています。

特養の利用申請先は各施設、要介護認定があれば申し込み可能

保育園の利用はかなり厳しくチェックが入るのに対し、特養の入所については役所は申込用紙を配るだけです。

おそらくですが、最近になってマイナンバー制度ができてどの人がどこに申し込んでいるのかくらいは自治体で把握しているとは思いますが、要介護認定と更新以外ほとんど関与しません。

それ故に重複して申し込みしていて、それにより順番待ちで途方もなく待つことになるイメージで特養が足りないと言われてきました

業界人は知っていましたが、特養ってどんなものかもわからない一般の方にとっては順番何百人待ちと聞けば「ぜんぜん足りてない」と錯覚します。

政治・行政がグルで高齢者優遇、若者・子ども軽視

若者は声をあげませんし、少子化で数も少ないので、影響力不足に陥っています。

政治家・行政機関・自治体職員など、データや意見から派生した住民の福祉や政策を実行する立場の人はある程度不平等に気づきながら見て見ぬふりをしています。

介護保険については明らかに目の粗いザルなのですが、介護度認定の調査をしているのは委託された人、実際のサービスも各事業者に委託という形なのでズルや不正は本当に多くあります。

しかし、介護サービスが足りていないという世間のイメージの中、たくさんのズルを指摘してしまい事業者が撤退するとバッシングされるからと不正も見て見ぬふりしています。

実際考えてみると、要介護者1名自己負担は月1~3万で介護保険から10~30万ほど支出し、保育園の費用は自己負担5万円程度で税金で10~30万です。

もちろんこれは公的な施設の場合です。特養をはじめ介護保険施設は大量に存在して営業合戦しているのに対し、公的な保育園はごくわずかです。

アベノミクスでも補えない労働価値(賃金)低下と偽装弱者利権

アベノミクスで一億層活躍社会というスローガンが発表されました。アベノミクスで賃金を上げようと頑張ってきましたが、機械やコンピュータが発達した現代、そうそう人間の労働が尊いわけがないのです。

優秀な人材は社会や商品を半自動で動かす仕組みを作るような価値の高い仕事をして評価されますが、ほとんどは歯車として反復作業をしています。

このような中では、機械やシステムを開発・導入するよりも人間が行った方がコストがかからない仕事を人間が行います。

一億層活躍社会では、賃金はやっぱり上がらないから共働きして、お年寄りもせめて自分の小遣いくらい稼いでできるだけ健康に・・・という意味かと最近捉えています。

人口が減っていくなかの財政を考えると、税金を増やすためには扶養になっている人をできるだけ少なくして、ひとりひとりの消費も多くするにはこれが手っ取り早いです。

過去に、「核家族」を奨励したことも、世帯を小分けに分解して、白物家電や住宅、税などあらゆるものの経済規模を拡大することにあったと思います。

これ以上家族を分けられない、消費も冷え込む、規模が縮小していく日本の中で、どのように搾取するか考えると、今後恐ろしいものです。

 

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