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2018年(平成30年)介護保険・介護報酬改定のポイントになりそうなところのまとめ

平成28年9月30日に公開された最新版の 第65回社会保障審議会介護保険部会資料 を参考に2018年(平成30年)の介護保険・介護報酬改定に向けた動きをまとめます。

2015年度の改定でも注目された、さらに予防・医療連携、認知症対応、中重度者、地域包括ケアシステムなどのキーワードについて、さらに踏み込んでいくことになるかと思います。

あくまでも社会保障審議会介護保険部会資料ということですので、筆者の意見などは含まず、資料をほぼそのまま引用いたします。

ケアプランに自己負担

現在ケアプラン作成は全額が介護保険から給付されている。2018年改正では、1割負担の対象にすることを提案している声もある。

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介護予防の推進

介護予防の取組については「一般介護予防事業評価事業」において、定性評価に加え定量的指標により事業評価を行うこととしている。具体的には、プロセス指標、アウトカム指標等を用いた評価を行い、事業の改善に活用することとしている。

介護予防自立支援を推進するための都道府県等の支援

効果的な介護予防の取組には、リハビリテーション専門職等が地域ケア会議、住民主体の通いの場 等へ関与し、 高齢者の自立や社会参加を促進することが有用である。しかし、従来より、介護予防 事業においてこれらの専門職等が不足しているとの意見があった。

そのため、介護予防・日常生活支援総合事業において、地域における介護予防の取組の機能強化を 図るために、市町村が地域ケア会議等にリハビリテーション専門職等を派遣するための事業(地域リハビリテーション活動支援事業)を新設し、これらの専門職の関与を促進することとした。

市町村においてリハビリテーション専門職等を確保することが難しいとの声があることから、一部の都道府県においては、県が医療機関等と連携し、市町村にリハビリテーション専門職等を派遣して いる。それに加えて、都道府県が市町村に対して介護予防に関して有効な情報の提供・助言等を行ったりしている例がある。

本来は、介護予防事業は市町村が実施すべき事項であるが、リハビリテーション専門職等の確保等の面では、都道府県による市町村の支援も重要である。しかし、制度上、これらは都道府県の役割として明示されていない。

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地域支援事業の推進

地域支援事業は、被保険者が要介護状態等となることを予防するとともに、要介護状態等となった場合におい ても、可能な限り、地域において自立した日常生活を営むことができるよう支援することを目的とし、以下の3つから構成されている。

  1. 介護予 防・日常生活支援総合事業(以下、「総合事業」と言う。)
  2. 包括的支援事業
  3. 任意事業

現在は、介護保険法における地域包括支援センターの評価に関する規定と、実施要綱における総合事業の評価に関する規定が置かれている一方で、地域支援事業全体として評価を行う仕組みはないが、それぞれの事業が効果的に実施されるためには、定期的に取組の評価を行い、評価に基づく取組の改善が行われる必要がある。

総合事業のうち介護予防・生活支援サービス事業及び生活支援体制整備事業

総合事業については、平成26年介護保険法改正により創設され、平成27年4月に施行されているが、市町村は 条例で定める場合、総合事業の実施を平成29年4月まで猶予可能としている。また、地域におけるサービスや担い手の開発等に取り組む生活支援コーディネーターの配置や協議体の設置については、平成30年4月までが猶予期間となっている。

平成27年4月に総合事業を開始した78市町村に対し、事業の実施状況等について確認したところ、介護予防訪 問介護・通所介護に相当するサービス以外の「多様なサービス」が出現していることが確認された一方で、介護サービス事業者や介護労働者以外の「多様な主体」による取組が十分に広まるまでに至っていない。

地域包括支援センター

高齢者の自立支援・介護予防を推進するためには、地域においてケアマネジメントが適切に機能する必要がある。地域包括支援センターの業務のひとつとしてケアマネジメント支援が位置づけられている。実際の支援の中心は介護支援専門員への直接的支援となっているが、地域における適切なケアマネジメント環境を整備するためには、住民やサービス事業所を対象とした取組が必要。 また、ケアマネジメント支援の強化に当たっては、地域ケア会議について、更なる取組の促進が必要。

介護離職を防止する観点から、働きながら介護に取り組む家族や、今後の仕事と介護の両立不安や悩みを持つ 就業者に対する相談支援の充実強化が、より一層求められており、平成29年度概算要求において、介護離職の防 止を目的として、地域包括支援センターの土日祝日の開所や、電話等による相談体制の拡充、地域に出向いた相 談会の実施等についてモデル的に実施する事業を盛り込んでいる。

地域包括支援センターの職員の質の向上のため、3職種の配置について定められている「準ずる者」の規定について、職種ごとの特性を踏まえ、将来的に解消することを目指してはどうか。特に、保健師については、人材 確保が困難となっている実態を踏まえ、「準ずる者」の規定を残しつつ、高齢者の公衆衛生業務に関する業務経 験を追加する等の対応をとってはどうか。 また、ケアマネジメント支援等の政策課題について、円滑な実施が図られるよう、地域包括支援センター職員 に対する研修を実施することとしてはどうか。

リハビリテーション機能の強化

通所リハビリテーションと通所介護の役割分担と機能強化、特に通所リハビリテーションについて、リハビリテーション専門職の配置促進や短時間のサービス提供の充実

通所・訪問リハビリテーションを含めた、退院後の早期のリハビリテーションの介入の促進

職種間や介護事業所間の連携の強化

中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化

要介護者等の在宅の高齢者が安心して生活するためには、要介護度が高い人にも対応可能なサービスが提供できる体制の整備が必要である。

体制の整備については、地域包括ケアシステムの構築に向けて、定期巡回・随時対応型訪問介護看 護や小規模多機能型居宅介護等の単身・重度の要介護者等に対応し得るサービスの普及がより重要であるが、十分に進んでいないのが現状である。

これまでも普及に向けた取組を行ってきたが、更なる方策を検討する必要がある。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護については、オペレーターが夜間の随時対応訪問介護員を兼務している事業所が約7割であり、日中の兼務も可能にして欲しいとの要望が多いとの調査結果がある。

小規模多機能型居宅介護については、居宅の介護支援専門員小規模多機能型居宅介護介護支援専門員を兼務できるようにして欲しいとの要望がある。

また、退院の許可が出た75歳以上の入院患者の自宅療養の見通しについて、「自宅で療養できない」と回答した入院患者が約4割となっており、自宅療養を可能にする条件については、「入浴や食事などの介護が受けられるサービス」が必要と回答した入院患者が約4割という調査結果がある。 これに対応するためには、介護サービスと生活を支えるために必要となる配食などが一体となって 提供されることが必要である。

小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの地域密着型サービスについて、

  • サービス提供量を増やす観点
  • 機能強化・効率化を図る観点

から人員要件や利用定員等の見直しを介護報酬改定にあわせて検討することとしてはどうか。

介護サービスとともに利用者の生活を支えるために必要となる配食などが一体となって提供され るようにするため、国において、事業者の取組事例の周知等を行うこととしてはどうか。

地域共生社会の実現

「我が事・丸ごと」地域共生社会の実現

公的な福祉サービスの「丸ごと」への転換について

高齢者、障害者等の対象者ごとに充実させてきた福祉サービスについては、サービス事業所は、 各制度に基づいて、都道府県又は市町村の指定等を受けて事業を実施しているが、利用者の利便の観点や、サービスの提供に当たる人材の確保などで課題があることから、同一の事業所で一体的に サービス提供しやすくなるようにすることが必要である。 介護保険サービスと障害福祉サービスとでは、各制度に固有のサービスもあるが、デイサービス、 ホームヘルプサービス、ショートステイ等相互に相当するサービスもあり、例えば「丸ごと」の実践例の「富山型デイサービス」では、1つの事業所で介護保険サービスとしてのデイサービスと障害福祉サービスとしてのデイサービスを同時に提供している。

このようなケースでは、障害福祉サービス事業所としての指定を受けていない事業所のサービス であっても、介護保険サービス事業所としての指定を受けていれば、市町村の判断により、障害福 祉サービスとして給付を行うことができる、障害福祉制度における「基準該当サービス」という仕組みを活用してサービス提供している。

一方で、介護保険制度においては同様の仕組みが存在せず、障害福祉サービス事業所としての指 定を受けているというだけでは保険給付の対象とすることができないため、必ずしも全ての障害福祉サービス事業所において介護保険サービスを同時に提供できる仕組みとはなっていない。

また、「基準該当サービス」は、市町村の判断に委ねられているため、地域によってその取扱いに差があるとの指摘がある。

さらに、介護保険優先原則(※)の下では、障害者が高齢になり介護保険の被保険者となった場 合、その障害者がそれまで利用してきた障害福祉サービス事業所が、介護保険サービス事業所とし ての指定を併せて受けていなければ、その障害者は、それまでとは別の介護保険サービス事業所を 利用しなければならない場合がある。

(※)障害者が高齢になり介護保険の被保険者となった場合、障害福祉サ―ビスに相当するサービスが介護保険サービスにあれば、介護保険サービスの利用が優先される。

この点については、社会保障審議会障害者部会報告書「障害者総合支援法施行3年後の見直しに ついて」(平成27年12月14日)においても指摘されており、障害福祉サービス事業所が介護保険サービス事業所になりやすくする等の見直しを行うべきであるとされている。

また、これまで障害福祉サービスを利用してきた障害者が介護保険サービスを利用する場合や、 障害福祉サービスと介護保険サービスを併給する場合等において、相談支援専門員と介護支援専門員が利用者の状態やサービスの利用状況等について情報共有を図るなど、緊密な連携を行うことが 必要である。

こうした観点を踏まえ、同報告書において、「相談支援専門員と介護支援専門員の連携を推進す るため、両者の連携が相談支援事業及び居宅介護支援事業が行うべき業務に含まれる旨を明確にする」べきであるとされている。

地域共生社会における地域力強化(住民主体による地域課題の解決力強化・体制づくり、市町 村による包括的な相談支援体制の整備等)

介護保険制度においては、被保険者の保健医療の向上及び福祉の増進を図るため、地域包括支援 センターにおいて、総合相談支援業務として各種相談・支援を行っている。 また、高齢者の社会参加の推進及び生活支援体制の充実・強化を図るため、生活支援コーディネーターの配置等により、関係者間のネットワーク構築や、サービスの担い手や地域に不足するサービスの開発等に取り組んでいる。

※ 地域包括支援センターや生活支援コーディネーター等の活動にかかる経費については、地域支援事業において、1号保険料22%、国39%、都道府県・市町村それぞれ19.5%の財源構成により運営されている。

また、介護保険法においては、地域包括支援センターの設置者に対し、民生委員等の地域の関係者との連携に努めなければならない旨を規定しており、介護予防・日常生活支援総合事業に係る指針(告示)においても、共生社会の推進の基本的な考え方に関する規定を設けている。

地域共生社会の実現に向けては、地域包括支援センター等が対象を高齢者から障害者や子どもへ 拡大した対応が求められるが、こうした取組の実現に向けては、地域包括支援センターの業務の状 況や、人員体制等について留意が必要であるとの意見がある。

なお、厚生労働省社会・援護局において、平成28年度より、多機関の協働により世帯全体の複合化・複雑化した課題に対応することができる総合的な相談支援体制を構築する取組を、モデル事業として実施しており、さらに、平成29年度概算要求においては、小中学校区等の住民の身近な圏域で、住民が主体的に地域課題を把握し、解決を試みることができる体制を構築するモデル事業も盛り込んでいる。

高齢者、障害者等にとっての利便性の確保及び限られた人材の有効活用の観点から、同一の事業 所で一体的に介護保険サービス及び障害福祉サービスを提供することを可能とするため、サービスの 質の確保に留意しつつ、介護保険サービスの一類型として新たに共生型サービスを位置付け、障害福祉サービス事業所が介護保険事業所の指定を受けやすくするための見直しを行うべきではないか。 その際、具体的な指定基準等の在り方については、介護報酬改定にあわせて検討することとしてはどうか。併せて、事業所の指定手続について、可能な限り簡素化を図るべきではないか。

また、これまで障害福祉サービスを利用してきた障害者が介護保険サービスを利用する場合や、 障害福祉サービスと介護保険サービスを併給する場合等において、相談支援専門員と介護支援専門員が、支援に必要な情報を共有できるよう両者の連携を進めていくべきではないか。 その際、具体的な居宅介護支援事業所の運営基準の在り方については、介護報酬改定にあわせて 検討することとしてはどうか。

地域包括支援センターにおける相談支援や、生活支援コーディネーター等の取組等について、地 域共生社会の実現を目指す観点から、その理念を明確化してはどうか。

また、「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部における議論や、厚生労働省社会・援護局において平成28年度より実施しているモデル事業を踏まえ、地域共生社会の実現に向け、どのような対 応が可能か、財源を含め、引き続き検討を行うこととしてはどうか。

安心して暮らすための環境の整備 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)は、要介護者に対して、入浴、排泄、食事等の介護その他日常生活の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行う生活施設。

平成25年12月20日の「介護保険制度の見直しに関する意見」(社会保障審議会介護保険部会報告書)においては、「特養の重点化に伴い、今後、特養においては、医療ニーズの高い入所者への対応とともに、施設内での「看取り」対応が課題となる。看取り体制を一層強化していくため、特に夜間・緊急時の看護体制等、「終の棲家」 の役割を担うための機能や体制等の医療提供の在り方につい て検討する必要がある。」と指摘された。

平成27年4月より、原則、新規入所者は要介護3以上の方となり、入所者の重度化が進展してい く中で、施設内での医療ニーズや看取りにより対応できるような仕組みについて、介護報酬改定に あわせて検討することとしてはどうか。

平成27年4月より、新規入所者を原則要介護3以上の高齢者に限定し、在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える施設としての機能に重点化するとともに、平成27年介護報酬改定においては、 介護福祉施設サービスにおける看取り介護の質を向上させるため、看取り介護加算の拡充等を行った。

施設の運営に当たっては、入所者のプライバシーに配慮したうえで、一人ひとりのニーズに即したケアを実現する方策を検討してはどうか。

安心して暮らすための環境の整備(有料老人ホーム

老人を入居させ、食事や介護等サービス(食事の提供、介護の提供、家事の供与、健康管理のいずれか)の事業を実施している施設は、老人福祉法において有料老人ホームに該当、届出を義務づけ。

近年は、届出規定が遵守されていない施設(未届の有料老人ホーム)の増加も課題となっており、 国においては「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」(ガイドライン)の見直しを行うなど、都 道府県等と連携して届出促進に取り組んでいるが、対策強化が求められている。また、適正な事業運 営が図られていない有料老人ホームについて、都道府県等が入居者の保護のため必要があると認めると き等は、老人福祉法において改善命令の規定が置かれている。なお、未届の有料老人ホームについても、 届出された有料老人ホームと同様に、老人福祉法に基づく行政処分は可能となっている。

(参考)・消費者基本計画工程表(平成28年7月19日消費者政策会議決定) ・有料老人ホームの運営に関する行政評価・監視(平成28年9月16日総務省勧告)

また、有料老人ホームの増加等に伴い、事業倒産等の場合に備えた入居者保護の充実も求められている。その対策として、平成18年の老人福祉法改正において、前払金を受領する場合には、前払金の保全措置を事業者に義務付けている。義務付けの対象は、改正法の施行日(平成18年4月1日)以降に届出された有料老人ホームであり、法改正前に届出された有料老人ホームは、建設費等の借入返済 に充てている場合の経営への影響等を考慮し、対象外となっている。

有料老人ホームが提供するサービスの多くは、事業者と入居者の契約によるところが大きいことから、その施設のサービス内容等について、できる限り多くの情報が開示されることが重要であり、事業者に対しては、入居希望者又は入居者への重要事項等の情報開示を義務付けている。有料老人ホー ムの市場が拡大する中で、入居希望者は、数多くの施設の中から、ニーズに応じた施設を選択することとなる。

有料老人ホームの適正な事業運営を推進し、入居者保護の強化を図る観点から、前払金の保全措 置の対象拡大や事業倒産等の場合の都道府県等による他の住まいへの円滑な入居支援の措置などを検討してはどうか。

消費者の選択に資するとともに、事業者の法令遵守の確保を図る観点から 、現在都道府県等に作成・ 公表を求めている有料老人ホームの情報一覧表について、公表の充実を図る方策を検討してはどうか。

引用:第65回社会保障審議会介護保険部会資料(平成28年9月30日 厚生労働省老健局総務課)

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