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2018年介護保険改定は自立支援・重度化防止、介護医療院の創設、自己負担割合3割も。

2017年2月7日、国会に「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」が提出されました。

先日、「2018年(平成30年)介護保険・介護報酬改定のポイントになりそうなところのまとめ」で紹介した内容を立法機関である国会で審議して法律で定義するためです。

この記事では、冒頭では厚生労働省ホームページで公開されている資料のポイントをそのまま引用し、後半に筆者の関心のある部分について私見を述べます。

地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案(平成29年2月7日提出)

2017年2月7日の地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案と同時に、今回提出された改正案ではどのようなことがポイントとなっているのかの概要資料も公開されています。

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地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案のポイント

高齢者の自立支援と要介護状態の重度化防止、地域共生社会の実現を図るとともに、制度の持続可能性を確保 することに配慮し、サービスを必要とする方に必要なサービスが提供されるようにする。

自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化等の取組の推進(介護保険法)

  • 全市町村が保険者機能を発揮し、自立支援・重度化防止に向けて取り組む仕組みの制度化
  • 国から提供されたデータを分析の上、介護保険事業(支援)計画を策定。計画に介護予防・重度化防止等の取組内容と目標を記載
  • 都道府県による市町村に対する支援事業の創設
  • 財政的インセンティブの付与の規定の整備

(その他)

  • 地域包括支援センターの機能強化(市町村による評価の義務づけ等)
  • 居宅サービス事業者の指定等に対する保険者の関与強化(小規模多機能等を普及させる観点からの指定拒否の仕組み等の導入)
  • 認知症施策の推進(新オレンジプランの基本的な考え方(普及・啓発等の関連施策の総合的な推進)を制度上明確化)

2 医療・介護の連携の推進等(介護保険法、医療法)

① 「日常的な医学管理」や「看取り・ターミナル」等の機能と、「生活施設」としての機能とを兼ね備えた、新たな介護保険施設を創設

※ 現行の介護療養病床の経過措置期間については、6年間延長することとする。病院又は診療所から新施設に転換した場合には、転換前の病院又は 診療所の名称を引き続き使用できることとする。

② 医療・介護の連携等に関し、都道府県による市町村に対する必要な情報の提供その他の支援の規定を整備

3 地域共生社会の実現に向けた取組の推進等(社会福祉法、介護保険法、障害者総合支援法、児童福祉法)

  • 市町村による地域住民と行政等との協働による包括的支援体制作り、福祉分野の共通事項を記載した地域福祉計画の策定の 努力義務化
  • 高齢者と障害児者が同一事業所でサービスを受けやすくするため、介護保険と障害福祉制度に新たに共生型サービスを位置付ける (その他)
  • 有料老人ホームの入居者保護のための施策の強化(事業停止命令の創設、前払金の保全措置の義務の対象拡大等)
  • 障害者支援施設等を退所して介護保険施設等に入所した場合の保険者の見直し(障害者支援施設等に入所する前の市町村を保険者とする。)

4 2割負担者のうち特に所得の高い層の負担割合を3割とする。(介護保険法)

5 介護納付金への総報酬割の導入(介護保険法)

・ 各医療保険者が納付する介護納付金(40~64歳の保険料)について、被用者保険間では『総報酬割』(報酬額に比例した負担)とする。

 

引用:地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案(平成29年2月7日提出)概要 [1,034KB]

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介護医療院」という施設形態が新しく創設される

今後、増加が見込まれる慢性期の医療・介護ニーズへの対応のため、「日常的な医学管理が必要な重介護者の受入れ」や「看取り・ターミナル」等の機能と、「生活施設」としての機能を兼ね備えた、 新たな介護保険施設を創設する。

これはおそらく療養型と言われていてたところのカバーに当たる施設なのですが、なかなか難しいですね。

要介護者に対し、「長期療養のための医療」と「日常生活上の世話(介護)」を 一体的に提供し、介護保険法上の介護保険施設だが、医療法上は医療提供施設として法的に位置づけるというのが今回の案です。

開設主体は、地方公共団体、医療法人、社会福祉法人などの非営利法人等となっていますが、現行の特別養護老人ホームとどのように違ってくるのかはこれから審議されて具体化されてくるかもしれません。

国家的なニーズとしては、おそらく看取りの部分で、死にゆく人たちに過剰な医療が提供されず、孤独でない穏やかな最期を迎えられる場所を作るということなのだと思います。

死亡の場所別にみた死亡数・構成割合の年次推移

介護保険ができてから、「在宅医療」や「看取りケア」という言葉が広まってきましたが、厚生労働省が集計・公開している資料「死亡の場所別にみた死亡数・構成割合の年次推移」では、2000年~2009年まで80%近くが病院で亡くなっています。

自宅で亡くなる人は15%未満です。(2009年までのデータ)

亡くなるまでにどのくらいの期間入院していたかのデータがないのでわかりませんが、看取るというのは相当の心構えがいるものです。

老人保健施設や特別養護老人ホーム、訪問系サービスでも看取りに関する加算がありますが、看取ることを前提としていてもいざ状態が変わると医療機関に搬送するというケースも多く存在します。

介護職の不足、介護医療院で看取る仕事に人材が集まるか

変な話ですが、テレビドラマを見ていても人が死ぬときは病院です。

酸素マスクを着けて、身近な人が心電図モニターを見ていて、モニターの波形がなくなり、心拍もなくなりご臨終というのが「死」という固定観念ができてしまっています。

看取るという言葉は一般化しつつありますが、リアリティをもって「家で死ぬ」ということをイメージするにはまだもう少しかかりそうなイメージです。

在宅でなくても、看護職として患者の死を経験し意識していても精神的につらい仕事で、それが頻繁になる分野に介護職員が現在の賃金水準で集まるかは疑問です。

看取りについては引き続き次期の介護保険の改正でも取り上げられると思いますが、今回の介護医療院が社会的にどのような影響を与えるのかこれから注目です。

現役世代並みの所得(340万円以上)のある者の利用者負担割合の見直し

世代間・世代内の公平性を確保しつつ、制度の持続可能性を高める観点から、2割負担者のうち特に所得の 高い層の負担割合を3割とするというのがこの案です。

テレビや新聞でも大きく取り上げられて、「ついに3割」「340万円で富裕層扱い」などといろいろ言われています。

2割が登場したときもそうでしたが、高齢介護サービス費44000円の上限があります。

介護保険のサービスを利用した月の利用者負担合計額(同じ世帯内に複数の利用者がいる場合には世帯合計額)が一定の額を超えたときには、「高額介護(介護予防)サービス費」として市区町村に申請するとオーバー分が返ってくる仕組みです。

要介護5で区分支給限度額36,065単位(360,650円)を最大限まで利用しての3割だと10万円を超えます。

家賃で10万円払って、生活費で10万円使っていて、介護保険も10万円だとしたら収支がマイナスになります。

今回の案でも今のところは44000円上限は残すような方針のようなので、申請手続きを知っていればそれほどの問題は起きないと考えられます。

国民年金の平均月額は5万4千円、厚生年金は14万8千円

平成26年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 (平成27年12月 厚生労働省年金局)によると、年金支給額は、国民年金が平均月額で5万4千円、厚生年金は14万8千円となっています。

年間に換算すると、国民年金で約70万円、厚生年金で約180万円の支給額が平均的ということになります。

下記の図でも述べられていますが、不動産などの不労収入や、投資の配当のようなものが入るような方など全体の3%程度が3割になる可能性があるという話です。

引用:地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案 概要 ,p5

 

混合介護、互助、契約に基づく料金など介護保険の法律外の問題

介護保険法や医療法などの関連法規の問題として地域包括ケアシステムを中心として、介護や高齢者の生活が考えられています。

医療もそうですが、保険で自己負担1割~2割という仕組みを作ってしまったがために、それ以外の介護・医療福祉サービスが発展しないという考え方もあります。

例えば訪問介護やデイサービスなど、介護保険の指定を受けて、算定の基準を守ってサービス提供すればお客様負担は数百円。

もし家政婦や家事代行サービスを頼んだら30分でも数千円となります。運営する側も利用する側も保険サービスの方が都合がよいです。

要介護者のサービス利用を考えるとき、結局は安価な保険サービスが選ばれます。

昨年、公正取引委員会もこの点に言及して話題となりました。

女性だけの30分フィットネス、カーブスはビジネスとして成り立っている

最近注目されているのが、30分フィットネスのカーブスの事業です。

料金は月に6000円~7500円程度で、何回でも通えるというモデルで、店舗・利用者を拡大しています。

カーブスの中には介護予防の指定を受けて行っている事業もありますが、多くは保険外にもかかわらず介護予防や地域支援に大きく貢献している事業だと思います。

覗かせていただくと実際の利用者には、要支援程度の方もおります。

とても良い事業ですが、利用している方が要介護や要支援認定を受け、介護保険サービスと競争させられるとひょっとしたら利用をやめて通所介護などにいってしまうかもしれません。

要支援の方の通所介護などは総合事業として保険者である自治体が料金・負担割合、内容なども関与できるようになります。

実際、介護予防・日常生活支援総合事業はほとんどの自治体で今までのデイサービスや訪問介護が継承されている状態で、実体として動き出しているのはごくわずかです。

これからどのような展開になるか、お役立ち通信としてもチェックしていきたいと思います。

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