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介護職員が医療行為は違反、医療的ケアは可能、爪切り、口腔ケア、一部の褥瘡の処置などはOK。厚生労働省回答。摘便(てきべん)、インシュリン注射は禁止。どこから医行為で医師・看護師か具体例で紹介。

医行為とは、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ、人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為 のことです。この記事では、具体例を挙げて介護職員でも実施可能な医療的ケア介護職員が行ってはいけない医療行為条件付きで介護職員に認められている医療行為を紹介します。

医行為かな?と迷った時の大前提

一般性 その行為を一般人が行っているか

安全性 自分がその行為を行っても相手に怪我や後遺症を与えないかどうか

専門性 診断や医学的判断に当たらないかどうか

これらの大前提をもとに、介護職員が行う可能性がある行為を確認してみましょう。

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水銀・電子体温計による体温測定、自動血圧計による血圧測定

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一般性 ○   安全性 ○   専門性 ○

血圧測定・体温測定などのバイタルサインのチェック自体は、医行為ではありません。

ただし、血圧が高めなのでお薬はやめときましょう」など、医学的判断を介護職が自己判断することはNG

あらかじめ、血圧の値の条件などを医師(薬剤師等)から指示を受けている場合はそれに従い補助は可能。

血糖降下薬なども同様に、食事の有無で服薬するかどうかをあらかじめ指示を得ておき、それに従い補助は可能。

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パルスオキシメーターの装着(SpO2サチュレーション)の測定

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一般性 ○   安全性 ○    専門性 ○

酸素飽和度の測定などバイタルチェック自体は、医行為ではありません。

酸素は、血液中に溶け込んでいる酸素の量の割合で、通常は100%に近いです。

誤嚥、肺の疾患などにより酸素が取り入れられないと低下します。

ヘビースモーカーなどだと常時90%でも慣れていることがあります。

特別指示がない限りは、95%以下になっている場合、低酸素血症で酸欠状態なので、医学的処置を必要とします。すぐ連絡!

軽い切り傷、すり傷、やけど等について、専門的な判断や技術を必要としない処置。

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一般性 ○   安全性 △    専門性 △

軽い切り傷、すり傷、やけど等について、専門的な判断や技術を必要としない処置(包帯、絆創膏など)は、医行為ではありません

また、常識の範囲で応急処置に当たることは恐れずすべきです。

  • 出血が多い ⇒助けを呼ぶ、出血部を心臓より高い位置に挙げる、圧迫する
  • やけどの範囲が広い ⇒助けを呼ぶ、布の上から冷水をかける
  • 頭を打っている可能性がある ⇒ 看護師などに相談

自己判断でやけどの水ぶくれを破ることや、剥離した皮膚を切ることなどは医行為です。

軟膏を塗る。湿布を貼る。点眼。一包化された薬の内服。座薬の挿入。鼻に薬。

皮膚への軟膏の塗布(褥瘡の処置を除く。)、皮膚への湿布の貼付、点眼薬の点眼、一包化された内用薬の内服(舌下錠の使用も含む)、肛門からの坐薬挿入又は鼻腔粘膜への薬剤噴霧を介助することは介護職員も可能です。

ただし、患者の状態が以下の3条件を満たしていることを医師、歯科医師又は看護職員が確認し、これらの免許を有しない者による医薬品の使用の介助ができることを本人または家族に伝えている場合に、事前の本人又は家族の具体的な依頼に基づき、医師の処方を受け、あらかじめ薬袋等により患者ごとに区分し授与された医薬品について、医師又は歯科医師の処方及び薬剤師の服薬指導の上、看護職員の保健指導・助言を遵守した医薬品の使用を介助する場合となっています。

  1. 患者が入院・入所して治療する必要がなく容態が安定していること
  2. 副作用の危険性や投薬量の調整等のため、医師又は看護職員による連続的な容態の経過観察が必要である場合ではないこと
  3. 内用薬については誤嚥の可能性、坐薬については肛門からの出血の可能性など、 当該医薬品の使用の方法そのものについて専門的な配慮が必要な場合ではないこと

異常が無い爪切り

爪切り自体は、医行為ではありません

ただし、陥入爪(かんにゅうそう)や巻き爪、爪の水虫(爪白癬)の場合は皮膚を傷つけるなどのリスクが高いため、専門的な診断や医学的判断を要します。よって医療行為に当たります。

これらの爪は状態によっては手術や専門的な処置が必要になります。爪に関して受診する場合は、皮膚科や整形外科が適切かと思います。(ケアマネに相談を)

重度の歯周病等がない場合の口腔ケア、歯磨き、入れ歯洗浄

日常的な口腔内の刷掃・清拭において、歯ブラシや綿棒又は巻き綿子などを用いて、歯、口腔粘膜、舌に付着している汚れを取り除き、清潔にすることは介護職員も可能です。

また、一般的な入れ歯洗浄剤で入れ歯の衛生を保持する介助は介護職員の業務範囲です。

耳垢の除去(耳そうじ)

耳掃除を行うこと自体は医療行為ではありません。ただし、本人の同意を得たうえで、安全な場合に限った方が無難です。

ストーマ装具の排泄物除去

ストーマは消化管疾患などにより人工的に作った排泄口のことで、パウチの排便口を手で広げながら排便を行ったりします。

肌に接着したパウチの取り替えは介護職員には認められていません

これらの方法は医療機関から指導を受けることが必要ですが、方法を理解したうえで介護職員が介助を行うことは医療行為には当たりません。

自己導尿の補助をするためのカテーテルの準備、体位の保持

介護職員に認められている行為は、自己導尿の補助をするためのカテーテルの準備する介助と、体位を保持することに限られています。

ペニスや陰唇にカテーテルを挿入する行為は、介護職員には認められていません。

市販の浣腸をする

挿入部の長さが5から6センチメートル程度以内、グリセリン濃度50%、成人用の場合で40グラム程度以下、6歳から12歳未満の小児用の場合で20グラム程度以下、1歳から6歳未満の幼児用の場合で10グラム程度以下の容量のものに限られています。

介護職員がやってはいけない医療行為の具体例

介護職として働くと、研修で習っていないことまで先輩方が行っていたり、危ないし怖いしできないと思うようなことも依頼されることがあります。

基本的には法令順守が最善策です。規制は、大多数の安全のためにあらゆる検討を経て作られています。介護のプロとして、業務として可能な範囲を再認識しましょう。

摘便(てきべん)は医療行為【2016年5月29日追記】

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摘便を行っていたら腸壁を傷つけて大出血を起こし、救急車で病院に搬送されたという深刻なケースもありました。

厚生労働省の回答で、以下のように示されています。

1 背中、足指等の薬塗り(かゆみ止め等感染症も含む。)
2 目薬さし、服薬の管理
3 摘便
4 褥創の処置(消毒、薬塗り)
5 経管栄養の処置
6 たんの吸引

回答:厚生労働省

患者の生命・身体に及ぼす危険性にかんがみて、医師、看護師等医療関係資格を有する者が行うべきものと考えており、医療関係資格を有さないホームヘルパー等が業として行うことは認められておりません(「業として行う」とは、「反復継続の意思をもって行う」ことであると解しております。)。

要介護者の状態に急変が生じた場合で医師、看護師等による速やかな対応が困難であるとき等において、医療関係資格を有さないホームヘルパー等が緊急やむを得ない措置として「医行為」を行うことは、それが業として行われるものでない限り、医師法第17条(医師でない者の医業の禁止)に違反するものではありません。

抜粋引用:ホームヘルパーに許される医療行為の範囲は, 内閣府政府広報室 国政モニター厚生労働省回答

摘便が必要な状態の要介護者の場合には、利用者の状態を考慮してケアマネージャーが適切な医療処置が受けられるサービスの優先順位を上げ、プランに組み込む必要があります。現場で動く介護職員の認識と合わせて、プランナーの認識も重要です。

褥創の処置(消毒、薬塗り)は医療行為【2016年5月29日追記】

汚物で汚れたガーゼの交換は原則として医行為でないとしていますが、褥瘡部位での軟膏の塗布等は医行為に該当すると厚労省の回答があります。

創の周囲を水洗いする。創の周囲の皮膚に外用薬(ワセリン、抗真菌薬など)を塗る。汚れたガーゼを交換。モイスキンパッド(衛生材料・ガーゼ類)を交換。ラップ・穴あきラップ/紙おむつを交換。おむつを直接当てる。~おむつ交換。は介護職員でも可能です。

医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)に対して寄せられたご意見について

平成17年7月 厚生労働省医政局 医事課・看護課

主な意見の要約:医師の指示の下に、褥瘡部位における軟膏の塗布や湿布の貼付等が認められるべき。

考え方:汚物で汚れたガーゼの交換は原則として医行為でないとしていますが、褥瘡部位での軟膏の塗布等は医行為に該当すると考えます。

介護職・ホームヘルパーができる褥瘡処置(医行為除外)は…

×:消毒

×:軟膏塗布

×:特定医療材料の交換(ハイドロサイト® 、デュオアクティブ®など)。

○:創の周囲を水洗いする。

○:汚物で汚れたガーゼの交換。

○モイスキンパッド(衛生材料・ガーゼ類)の交換。

○ラップ・穴あきラップ/紙おむつの交換(ガーゼ類)~おむつ交換。

○:キズの周囲を水洗いしておむつを当てる。~おむつ交換。

医師の指示と患者・家族の同意によるケアをしましょう。 家族の同意によるケアをしましょう。コミュニケーションが大前提。

引用介護職のできる褥瘡ケアと「医行為」について, 鳥谷部 俊一 たかせクリニック 顧問

インスリン糖尿病患者)の自己注射は医療行為

糖尿病の在宅療養、施設療養で「インスリン」を注射している方がいます。自分で注射する分には違法ではありませんが、注射は医行為であり介護職員が行うことは禁止です。

補助・単位数の確認ならばその行為自体は医療行為には当たりません。

血糖測定

血糖測定も針を体に刺す行為であり、医療行為で禁止です。補助・確認ならばその行為自体は医療行為ではありませんが、血糖値や食事の量に合わせてインスリン分泌促進薬やインスリン注射の単位などを調整する行為は医行為に当たります。

痰の吸引経管栄養(胃ろう、腸ろう、PEGペグ)は条件付きで介護職員が実施可能な医療行為

痰の吸引経管栄養(胃ろう、腸ろう)は、医行為であっても、介護現場のニーズが高いもので特例的に介護職員が実施することが認められています。

ただし、条件があり、介護職員全員が痰の吸引経管栄養(胃ろう、腸ろう、PEGペグ)を実施する資格があるわけではありません

介護職員が、痰の吸引、経管栄養(胃ろう、腸ろう)を行う場合の条件・要件

  1. 2016年1月以降の介護福祉士合格者
  2. 一定の研修を受け都道府県知事から「認定特定行為業務従事者認定証」を受けた介護職員
  3. 勤め先の施設や事業者が、医療と介護の連携を整えた上、都道府県知事の登録が必要
  4. 医師から痰の吸引の実施について指示、実施手順書に明記して業務の流れを共有

介護職員として心配な行為は必ず上司や医療機関に確認

介護職員として、要介護者の介助を行うときには、基本的には介護計画に沿って行われます。

介護計画に無い行為は原則行いませんが、生活上の援助や身体面の介護を行う中で衛生管理や応急処置の必要性を感じる場面は多々あります。

ご本人から依頼されることもあるかと思いますが、心配なことはケアマネージャーや上司に相談してどうするか決めて安全第一で行動しましょう。

 

参考:医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の 解釈について(通知) 厚生労働省, 医政発第 0726005 号 平成17年7月26日

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おたきやま

おたきやま理学療法士、WEBプロデューサー(サイト運営者)

投稿者プロフィール

福祉・介護分野を中心に活動中の理学療法士、WEBデザイナー。

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