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筋力低下・廃用症候群の高齢者・要介護者の筋トレ・機能訓練・リハビリには、筋肉・筋力・運動神経の知識を。

機能訓練、筋力トレーニングを行う中で、なんとなく負荷を設定して、なんとなく決めた時間実施している人が多いと思います。

しかし、これでは非常にもったいない!とっても簡単なことですが、知っているだけで効果が出る知識をご紹介します。

筋肉と筋力についての基礎知識

筋トレについて考える前に、最低限知っておかないともったいない基礎知識をご紹介します。

運動神経と筋線維、運動単位

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筋肉

筋肉は、収縮することにより関節を動かして力を発生させる運動器官です。

筋線維

筋原線維という非常に細い線維が集まって筋線維を作っています。繊維ではなく、線維です。筋線維は筋細胞そのものです。それぞれの筋線維に神経線維が接合しています。

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運動神経(軸索・じくさく)

筋肉を収縮させるとき(力を出すとき)、脳から動かす指令を出します。その指令は脊髄の中の神経を通ってきます。そして脊髄の中で運動ニューロン(運動神経)に伝えられます。そして筋線維までいき、筋線維にその刺激を届けるのですが、神経の先端でアセチルコリンという神経伝達物質を出して伝えます。

運動単位と動員

神経は枝分かれして筋線維に接合しています。運動神経はこのようにたくさんの電線のようになっており、1本の神経からいくつかの枝に分かれていくつかの筋線維を支配しています。

このように1つの神経が支配している筋は、その刺激で一緒に収縮します。この単位を運動単位と言います。どれだけの神経細胞が刺激を出し、どれだけの筋線維を収縮させるかが筋力の調整になります。

運動単位を使うことを動員といいます。負荷の少ない状態だと動員される筋線維は少なく、大きな力を出すときはたくさん動員されます。

「運動神経が良い」という言葉がありますが、筋肉を上手に使うためには、運動神経を細かく正確に使う必要があります。

高齢者の多くは、最小限の決まりきった運動単位で生活しているため、大きな力を出す運動単位や、普段以上のバランスをとる運動単位などが働きにくくなっていて筋力低下やバランス低下を生じている可能性が高いのです。

サイズの原理

速筋(そっきん)と遅筋(ちきん)

筋肉には速筋と遅筋があります。遅筋は酸素を含む血流が豊富で赤い色をしており力自体は弱いですがスタミナ型速筋は鍛えれば膨らみ瞬発力がアップします。

速筋を支配する運動神経は、遅筋を支配する運動神経に比べ、軸索が太く、支配している筋線維の数が多いです。少しずつ大きな力を出していくような場合には、まず小さい運動単位から使い始め、大きな力を出す段階になって初めてサイズの大きな運動単位を使うようになります。

運動はじめは神経軸索が細い遅筋から使われて、動員が増えるに従い速筋が使われます。

不活動・廃用症候群では遅筋が優位で、速筋が萎縮

サイズの原則では、細い神経軸索の方が先に動員されるという性質を示しています。

つまり、高齢者や要介護者など、力を使わない生活では、遅筋の一部だけでなんとなく生活してしまっているということです。

動員されない神経が多いということは、その動員されていない筋線維は萎縮して弱まります。手足がガリガリの高齢者はこのようにして筋萎縮している可能性があります。

筋力低下の誤解

筋力低下という言葉を聞くと、筋肉がやせ細って力が出ないという印象を持つと思います。

しかし理学療法士などの専門職は、筋肉の問題よりも、神経がちゃんと使えているか、関節の動きはどうかという点にも着目します。

筋肉は使わないとやせ細ることは確かですが、神経を使うことを反復したり、一時的に大きな力を発揮させたりするだけで筋力は何割か増しになります。

筋力が低下しているというと元に戻るのに時間がかかりそうですが、神経の不活性で単に脳からの指令が筋肉に届いてない可能性も十分にあるのです。

トレーニングの即時効果、継続効果

筋力増強を行うときに、一般的に筋肉が肥大してくるには3か月くらいのトレーニングが必要と言われています。

それと比べ、運動神経が不活性という状態は、脳から思いっきり普段よりも強い指令を送ることで即座に復活することもあります。

高齢者の筋力低下や立ち上がりのしにくさ、立位バランス低下などは、単に神経が筋肉に届いていないだけというケースも多いです。

神経を意識して使わせるだけで働く筋線維の量は大幅に増えるので即時効果が期待できます。

つまり、即時効果が出るということは、普段使っていなかった筋肉を働かせれば3か月後にはかなり筋力やパフォーマンスがアップするだろうという予後予測が立ち、目標も維持だけでなく今より向上という部分に立てられます。

本当に重要なことなのですが、意外とまだ知らない方が多いので、高齢者や生活不活性な方などのケアに当たるときには「この方は筋力低下しているようだけど、運動神経使えてるかな?」という視点で接してみてください。わからないときは、理学療法士などのリハビリテーション専門職に聞いてみると潜在能力の部分を評価してくれることでしょう。

 

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