骨粗鬆症 骨密度が低下する原因を知り予防と治療を
 

高齢者の分野では骨粗鬆症と診断された方も多く、テレビCMでいつのまにか骨折という言葉も注目されました。
高齢者に多い骨折に「圧迫骨折」というものがありますが、これは脊椎、一般的に言う背骨が尻餅などにより潰れるように骨折することを言います。高齢になると骨の密度が低下して骨折しやすい状態になりやすい傾向があります。この記事では、骨粗鬆症の原因や対策についてまとめました。

骨粗鬆症かどうか知るには?

骨粗鬆症かどうかを知るためには、骨の強さを骨密度という指標で測定する必要があります。しかし骨密度の測定は通常医療機関で測定して欲しいと言っても測定してくれるものではありません。骨折や病気などの疑いがある場合に必要な検査はすることができる健康保険適用での検査のルールがあるからです。
女性の場合には市町村の保健センターや骨粗鬆症の検診を実施している場合があります
また人間ドックのオプションとして骨密度測定を行っている場合もあります。
その他の骨粗鬆症の詳しい検査としては、X線、血液検査による骨代謝マーカーなどがあります。
自治体の検診や多くの医療機関で行われている骨粗鬆症の検査として、MD法と超音波法があります。MD法は、第2中手骨をX線で撮影し、そこから骨密度を判定する方法です。超音波法の方は、踵の骨に超音波を当ててどれくらいの速さで伝わるかによって骨の硬さを評価する方法です。

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骨粗鬆症の診断基準

骨粗鬆症の診断は、若年成人平均値(20-44歳)の骨密度に対して、どの程度の骨密度であるかによって診断されます。

原発性骨粗鬆症の診断基準(2000年度改訂版)
低骨量をきたす骨粗鬆症以外の疾患または続発性骨粗鬆症を認めず、骨評価の結果が下記の条件を満たす場合、原発性骨粗鬆症と診断する。
1.脆弱性骨折あり
脆弱性骨折:低骨量(骨密度がYAMの80%未満、あるいは脊椎X線像で骨粗鬆化がある場合)が原因で、軽微な外力によって発生した非外傷性骨折。骨折部位は脊椎、大腿骨頸部、橈骨遠位端、その他。
2.脆弱性骨折なし

骨密度値(注1) 脊椎X線像での 骨粗鬆化(注2)
正常 YAMの80%以上 なし
骨量減少 YAMの70%以上 80%未満 疑いあり
骨粗鬆症 YAMの70%未満 あり

YAM:若年成人平均値(20-44歳)
(注1)
骨密度は原則として腰椎骨密度とする。ただし、高齢者において、脊椎変形などのために腰椎骨密度の測定が適当でないと判断される場合には大腿骨頸部骨密度とする。これらの測定が困難な場合は橈骨、第二中手骨、踵骨の骨密度を用いる。
(注2)
脊椎X線像での骨粗鬆化の評価は、従来の骨萎縮度判定基準を参考にして行う。
引用:どんな検査をするの? | 公益財団法人 骨粗鬆症財団 (引用日:2018年6月1日)

骨代謝について 骨吸収と骨形成

骨粗鬆症など骨がもろくなる原因は、カルシウム不足と言われることがあります。
骨は赤ちゃんから大人になるにつれて、その形は一定になって骨格が出来上がり、固まったままように錯覚します。
実際には、1年で約1割の骨の成分が入れ替わります。

骨代謝 破骨細胞と骨芽細胞

骨には、破骨細胞と言う骨を壊す細胞と、骨芽細胞と言う骨を作る細胞が働き、骨吸収と骨形成を繰り返しています。
この骨吸収と骨形成を繰り返すサイクルを骨代謝と言います。骨代謝は、色々なホルモンやビタミンDなどの働きで調整されています。

骨の構造 皮質骨と海綿骨について

骨は硬いというイメージがありますが、骨全体がびっちりと詰まった構造をしているわけではありません。
例えば腕や足の骨だと両端の部分は海綿骨といい固いスポンジのような構造をしています。
背骨の椎骨も周りの軟骨や椎間板に負担をかけないように中は海綿骨の構造になっています。
逆に、骨の表面などは皮質骨といい硬くてびっちりと密度の高い構造をしています。

たんぱく質、カルシウムとリンからできるハイドロキシアパタイト

骨を強くするためには、カルシウムが大切と言われますが、その他にも大切な要素があります。それは骨の成分を知ると何となく分かると思います。
カルシウムは骨にそのままくっつくわけではなく、カルシウムとリンの結晶であるハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウムの結晶)として骨になっていきます。
しかし、ハイドロキシアパタイトだけでは骨として定着せず、土台が必要になります。その土台となるのはタンパク質の一種であるコラーゲンです。コラーゲンというとお肌の弾力というイメージが強いですが、骨の土台もコラーゲンなのです。
骨の成分はこのコラーゲンとハイドロキシアパタイトがほぼ1対1となっています。そのため、骨を養っていくためには、カルシウムだけ摂取するよりもタンパク質も合わせて摂取することが大切となります。

体の中でカルシウムの役割は骨になるだけではない

カルシウムは骨の成分であることが注目され、その他の役割はあまり知られていません。
人の体の中でカルシウムは血液や体液の中に1%ほど存在しており、その他の99%は骨にあると言われます。
しかしこの1%が重要で、カルシウムは骨や歯の材料になるだけでなく、神経の伝達や筋肉の収縮にも関わっています。
そのため、血液中のカルシウムが減ってしまった場合には、副甲状腺ホルモンが分泌され、骨代謝で取り上げた骨を壊す破骨細胞が活性化され、骨からカルシウムを溶かして血液中に持ってくる作用が働きます。

副甲状腺ホルモンとビタミンD

副甲状腺ホルモンが分泌されると、ビタミンDの活性化を促します。
活性化されたビタミンDは、尿に混じって排泄されるカルシウムを減らしたり、腸からカルシウムをたくさん吸収できるようにしたりして、血液中のカルシウムの濃度を上げます。食べ物からビタミンDが十分に摂取できていない場合には、腸からカルシウムを吸収しづらくなったりカルシウムが排泄されるのを抑制できなくなったりして、結果的に体内のカルシウム不足の原因になります。
骨粗鬆症にはビタミンDも大切ということは徐々に浸透してきましたが、このような理由からビタミンDの重要性を考えることができます。
近年の研究で、ビタミンDは食べ物から摂取しますが、紫外線を浴びることで体内でも合成できることが分かってきました
骨を強くするためには日光浴は良いのはこのためです。

女性が骨粗鬆症になりやすい理由

女性は月経が始まる頃に卵巣からエストロゲンという女性ホルモンが分泌されます。
このエストロゲンというホルモンは、妊娠に備え胎児の体を作るためにカルシウムを温存するよう破骨細胞の働きを抑えます。
女性は出産後も授乳を通してカルシウムをどんどん使います。しかし、どんどんカルシウムが体外に出て行ってしまっては、母体の骨がどんどんもろくなってしまいます。エストロゲンはそうならないよう防いでいるのです。
エストロゲンは閉経期以降分泌が減ってしまいます。すると、破骨細胞による働きが活発になって骨の吸収が進み、骨形成が追いつかなくなり、急激な骨量の低下が進みます。個人差がありますが、このような経緯から女性の方が骨粗鬆症になりやすいといわれます。

骨粗鬆症の治療

骨粗鬆症の治療には薬物療法、運動療法、食事・栄養療法などが用いられます。また骨折の予防として生活指導や動作指導なども行われます。
薬物療法では、内服薬の他、注射による治療も増えてきました。これらの薬剤の選択については、主治医が患者の骨粗鬆症のタイプや生活様式を見極めて選択していきます。
生活の中で薬物療法、運動療法、食事・栄養療法をバランスよく取り入れていくことが治療にとって重要です。食事は、カルシウム・タンパク質・ビタミン・ミネラルなどバランスよく摂取できるような献立にしましょう。

骨粗鬆症予防のサプリメントなども出ていますが、リンやナトリウムなどは厚生労働省などで摂取の目安量が示されているものでとりすぎには要注意です。

骨粗鬆症予防の運動としては、ウォーキングや、腹筋、片足立ちなどのように骨に多少負荷がかかり筋肉も鍛えられる運動がいいです。
もし、骨粗鬆症と診断された場合には、主治医と相談して、薬・運動・食事を中心に効果的な生活リズムをつくっていきたいですね。

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