厚生労働省・観光庁「民泊サービス」のあり方、旅館業法規制と今後のまとめ

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民泊(みんぱく)サービスとは、住宅(戸建住宅、共同住宅等) の全部又は一部を活用して、宿泊サービスを提供するもの。

近年、テレビのワイドショーやビジネス分野で話題になっている「民泊」。日本では法的にはグレーですが、世界はシェアリング・エコノミー、O2Oの時代にシフトしており、その代表格として一般化してきました。

日本においては、業として宿泊施設を運営する場合には、旅館業法の許可が必要な点で関係団体からの指摘が盛んな状態となっています。観光立国を国家戦略として掲げながら、観光客を迎え入れる体制が不十分ということで、国家としてもこれまで旅館業法上求められてきた許可取得をはじめとする義務よりも、民泊サービスに対してやや緩和したルール作りに動いていく様子です。民泊以外にも、漫画喫茶、ネットカフェ、お泊りデイサービスなど、宿泊の多様化は進んでいます。民泊サービスの現状と今後についてまとめました

民泊サービスが話題になっている理由

民泊サービスは、現代の日本のニーズにとても合致しているサービス形態なのです。その理由として以下のような観点が挙げられます。

急増する訪日外国人観光客の宿泊需要に対応するための宿泊施設の供給

日本文化や製品に魅力を感じ、外国人観光客は増加していますが、宿泊場所が不足しているという状態が発生しています。今後東京オリンピックの開催も控え、ますます来国者が増えますが宿泊施設の整備は不十分です。スマートフォンなどでCtoCで宿泊場所を確保できる民泊は大変便利なサービスとして好まれています。

地域の人口減少や都市の空洞化により増加している空き家の有効活用といった地域活性化

総務省が発表した平成20年の全国の空き家の総数は約757万戸で空き家率は13.1%と高いです。そのうち個人住宅が約268万戸を占め、増加の一途をたどっています。税法上、空家よりもさら地の方が固定資産税が高くなることや、リフォームしても買い手がいない等の問題があります。高齢化・人口減少により確実に住居は余るのですが、それが活用しきれない現状に対して、一時滞在・宿泊という形で活用するニーズは高まっています。

多様な宿泊ニーズに 対応した宿泊サービスの提供

民泊のメリットは、個人が直接大家さんに交渉できる点かと思います。O2O(Online to Offline)の考え方が普及し、ネットとリアルの壁がなくなり、個人と個人がネット上で取引してリアルなサービスにつなげられるようになりました。個人が個人に対してメッセンジャーアプリなどで宿泊条件などを確認できるので非常に柔軟にニーズに応えられます

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民泊の仲介をするサービスの例

airbnb(エアビーアンドビー)

airbnb

Airbnb (エアビーアンドビー)は、宿泊施設・民宿を貸し出す人向けのウェブサイトである。 世界192カ国の33,000の都市で80万以上の宿を提供しています。世界最大規模のプラットフォームで、外国人観光客も多く利用しています。

高付加価値の民泊!とまりーなで農家や漁師の家に宿泊



とまれる株式会社が運営する日本独自のサービス。全国各地の大規模イベントに参加する訪問客の宿泊先不足解消のため、 イベント開催される地域の地元住民の自宅等を宿泊先として提供し、 各種イベントを開催する地域住民との交流を促進する事によりイベント開催地の経済活性化を目指すという新形態。

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厚生労働省・観光庁「民泊サービス」のあり方に関する検討会中間報告 平成28年3月15日

下記引用のように「民泊サービス」のあり方に関する検討会では、インターネットを通じ宿泊者を募集する一般住宅、別荘等を活用した民泊サービスについては、関係省庁において実態の把握等を行った上で、旅館・ホテルとの競争条件を含め、幅広い観点から検討し、結論を得る方針をとっており、その中間報告です。

検討に当たっての基本的な視点と主な論点

  1. 衛生管理面、テロ等悪用防止の観点から、宿泊者の把握を含む管理機能が確保され、安全性が確保されること。
  2. 地域住民とのトラブル防止、宿泊者とのトラブル防止に留意すべきこと。
  3. 観光立国を推進するため、急増する訪日外国人観光客の宿泊需要や、空きキャパシティの有効活用等地域活性化などの要請に応えること。

その上で、検討に当たっては、旅館・ホテルとの競争条件、地域ごとの宿泊需給の状況、規制内容や方法に対応した自治体の体制等に留意しつつ、民泊サ ービスの必要性・位置付け、民泊サービスと旅館業法等関連法令との関係、仲介事業者の位置付け・役割、仲介事業者と旅行業法との関係等を論点として、 検討を進めてきた。

検討に当たっての基本方針にも示されているように、旅館・ホテルという競合との条件や法的位置付け、仲介業者との関係などが述べられています。

つまり、今までは宿泊する場所は「宿・ホテル」で「旅館業法」の管轄という決まりが、時代遅れになってきているため、早急に見直さなければという態度が見えます。

「民泊サービス」のあり方について (中間整理)

平成28年3月15日 「民泊サービス」のあり方に関する検討会

自宅の一部や別荘、マンションの空き室などを活用して宿泊サービスを提供するいわゆる「民泊サービス」については、ここ数年、インターネットを通じ、空き室を短期で貸したい人と旅行者をマッチングするビジネスが世界各国で展開されており、我が国でも急速に普及している。

こうした「民泊サービス」については、急増する訪日外国人観光客のニーズや大都市部での宿泊需給の逼迫状況への対応といった観光立国の推進の観点や、 地域の人口減少や都市の空洞化により増加している空き家の有効活用といった地域活性化の観点から活用を図ることが求められており、感染症まん延防止やテロ防止などの適正な管理、安全性の確保や地域住民等とのトラブル防止に留意したルールづくりが求められている。

また、こうした「民泊サービス」を反復継続して有償で行う場合、我が国においては旅館業法の許可が必要であるが、旅館業法の許可が必要であるにもかかわらず、許可を得ずに実施される違法な「民泊サービス」が広がっており、それらへの対応も急務である。こうした状況を踏まえ、平成27年6月30日に閣議決定された「規制改革実施計画」において、「インターネットを通じ宿泊者を募集する一般住宅、別荘等を活用した民泊サービスについては、関係省庁において実態の把握等を行った上で、旅館・ホテルとの競争条件を含め、幅広い観点から検討し、結論を得る」(平成27年検討開始、平成28年結論)こととされた。

これを受け、当検討会では、「民泊サービス」に関するルール整備に向け、平成27年11月から7回にわたり、事業者、関係団体、地方公共団体などの関係者からヒアリングを行いながら精力的に検討を重ねてきたが、これまでの検討結果について、「中間整理」として取りまとめ、公表する。

民泊サービスの登場により、旅館業法違反が多発している現状ですが、旅館業法とはどんなものでしょうか?

旅館業法の概要

旅館業法(昭和23年7月法律第138号)

厚生労働省健康局生活衛生課

 定義
旅館業とは「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定義されており、「宿泊」とは「寝具を使用して施設を利用すること」とされている。旅館業は「人を宿泊させる」ことであり、生活の本拠を置くような場合、例えばアパートや間借り部屋などは貸室業・貸家業であって旅館業には含まれない。
また、「宿泊料を受けること」が要件となっており、宿泊料を徴収しない場合は旅館業法の適用は受けない。
なお、宿泊料は名目のいかんを問わず実質的に寝具や部屋の使用料とみなされるものは含まれる。例えば、休憩料はもちろん、寝具賃貸料、寝具等のクリーニング代、光熱水道費、室内清掃費も宿泊料とみなされる。
また、宿泊施設付きの研修施設(セミナーハウス)等が研修費を徴収している場合も、例えば当該施設で宿泊しないものも含め研修費は同じとするなど当該研修費の中に宿泊料相当のものが含まれないことが明白でない限り研修費には宿泊料が含まれると推定される。ただし、食費やテレビ・ワープロ使用料など必ずしも宿泊に付随しないサービスの対価は宿泊料には含まれない。
 旅館業の種別
旅館業にはホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業及び下宿営業の4種がある。

(1) ホテル営業
洋式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業である。
(2) 旅館営業
和式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業である。いわゆる駅前旅館、温泉旅館、観光旅館の他、割烹旅館が含まれる。民宿も該当することがある。
(3) 簡易宿所営業
宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を設けてする営業である。例えばベッドハウス、山小屋、スキー小屋、ユースホステルの他カプセルホテルが該当する。
(4) 下宿営業
1月以上の期間を単位として宿泊させる営業である。
 営業の許可
旅館業を経営するものは、都道府県知事(保健所設置市又は特別区にあっては、市長又は区長)の許可を受ける必要がある。旅館業の許可は、旅館業法施行令で定める構造設備基準に従っていなければならない。旅館業の運営は、都道府県の条例で定める換気、採光、照明、防湿、清潔等の衛生基準に従っていなければならない。
 環境衛生監視員
旅館業の施設が衛生基準に従って運営されているかどうか、都道府県知事(保健所設置市又は特別区にあっては、市長又は区長)は報告を求め、立ち入り検査をすることができる。この業務は環境衛生監視員が行う。
 宿泊させる義務等
旅館業者は、伝染性の疾病にかかっている者や風紀を乱すおそれのある者等を除き宿泊を拒むことはできない。また、宿泊者名簿を備えておかなければならない。
宿泊者名簿は、「厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令」第4条第1項に基づき、電磁的記録による保存ができる。
(省令の概要、条文 http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/03/tp0328-1.html
 改善命令、許可取消又は停止
都道府県知事(保健所設置市又は特別区にあっては、市長又は区長)は構造設備基準又は衛生基準に反するときは改善命令、許可の取消又は営業の停止を命ずることができる。

旅館業法では、主に衛生面についての規制があり、都道府県の条例にも従っていくよう定められています。ただ、この法律は昭和23年7月のものです。時代が変わり、旅館業の種別が多様化してきているのですね。民泊以外にも、漫画喫茶、ネットカフェ、お泊りデイサービスなど、宿泊の多様化は進んできています。

中期的な検討課題-現行制度の枠組みを超えた検討が必要な課題-

平成28年3月15日 「民泊サービス」のあり方に関する検討会「民泊サービス」のあり方について (中間整理) 「民泊サービス」のあり方について (中間整理)

「民泊サービス」の適正な活用を図るルールづくりのためには、現行制度の枠組みを利用した「早急に取り組むべき課題」の当面の対応に加え、「民泊サービス」に対し、これまで旅館業法上求められてきた許可取得をはじめとする義務の内容を一律に課すべきかどうかや、仲介事業者や管理事業者等の関連する事業者に義務を課すべきか等について、現行制度の枠組みにとらわれない検討 が必要である。

その検討に当たっては、「民泊サービス」が適正に行われるよう、一定の規制を課すことを前提とした上で、例えば、「一定の要件」を満たす「民泊サービス」 については、規制の程度について、例えば許可ではなく、届出とする等、その 健全な普及が図られる観点から、整理がなされることが必要である。

上記の「一定の要件」については、以下のような指摘がなされているところであり、海外の事例も参考にしつつ、引き続き、検討を進めるべきである。

  • 家主居住で自宅の一部を貸し出すようなホームステイタイプの「民泊サービス」について、緩和の対象とすべき。
  • ホームステイタイプの民泊のうち、営業日数、宿泊人数、面積規模などが一定以下のものに対象を限定すべき。
  • 家主不在のタイプについては、簡易宿所の許可を取得させるべき。
  • 共同住宅の空き室・空き家等家主不在の「民泊サービス」についても、 管理事業者を介在させ、家主に代わって一定の責務を担わせることにより、緩和の対象とできないか。
  • 共同住宅については、賃貸マンションと分譲マンションとで分けて考えるべきではないか。
  • 分譲マンションについては、管理組合に確認を求めるべきではないか。
  • ただし、その場合であっても、現行の旅館業法上営業者に義務付けられている宿泊者名簿の備付義務や一定の(最低限の)衛生管理措置は求めるべきではないかと考えられる。
  • また、問題が発生した場合等に適切に対応できるよう、報告徴収、立入検査等の家主に対する一定の行政処分が可能な枠組みは必要ではないかと考えられる。

民泊をはじめ、シェアリングエコノミーは今後スタンダードになると予測しています

自分で所有しなくても、シェアできるものはシェアする、シェアすることで対価をもらうという形は今後ますます増えると予測しています。

昔は車でも別荘でも、家族や親せき・友人から借りたりしていました。しかし、個人化とライフスタイルの多様化が進み、身近な人との利害関係を避けたい心情が現代人に漂っています。

煩わしい人付き合いや、余計なやり取りなしに、効率的に貸し借りができる仲介役を求める人が増えています。善し悪しですが、便利でエコな生き方です。

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おたきやま

おたきやま理学療法士、WEBプロデューサー(サイト運営者)

投稿者プロフィール

福祉・介護分野を中心に活動中の理学療法士、WEBデザイナー。

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