介護でのレクリエーションの意味・目的の誤解 ゲームなのか
 

介護の現場で行われるレクリエーション活動。多くの人が「楽しいゲーム」として捉えがちですが、その背後には深い意味と目的が隠されています。実際には、レクリエーションは単なる遊びや時間のつぶしではなく、高齢者の心身の健康やコミュニケーション能力の向上を目指した重要な活動として位置づけられています。しかし、この真実はしばしば誤解され、その価値が適切に評価されないことも少なくありません。本記事では、「介護でのレクリエーションの意味・目的の誤解 ゲームなのか」と題して、レクリエーションの真の意味とその重要性について深掘りしていきます。

レクリエーションの意味 介護の仕事では

レクリエーションの意味は、人間性の回帰や創造性などを含む概念として広く考えることができます。
「レクリエーション=楽しい生活を追求する活動」と考えると分かりやすいかもしれません。いわば、レクリエーションはQOL(人生の質)に大きくかかわる要素です。

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介護の仕事で行われるレクリエーションマニュアル

介護業界に蔓延するレクリエーション=集団で行うことという認識

介護の業界ではなんとなくみんなで揃って一つの事をすることがレクリエーションだと考えられがちです。レクリエーションには余暇やレジャーという意味もあり、働いている人が休日にするようなことが本来の意味のレクリエーションです。

旅行の時のバスレク・フォークダンスのイメージがレクリエーションにある

生まれてからレクリエーションと名のつくもので思い出せるのは、「バスレク」と修学旅行の夜に行った「フォークダンス」くらいしかありません。みなさんおそらくレクリエーションについてはそのような認識だと思うので、バスレクのようにみんな参加して暇つぶしのゲームをしながら過ごすことと、みんなで踊ることがレクリエーションだと思うことは不思議ではありません。バスレクについては、みんなで参加できなかったり、ビデオ鑑賞をメインにしたりしたら担任の先生から怒られたような記憶もあります。

その人にとって楽しいことがレクリエーションの要素

例えば、食事をすること、食事の時に好きなお茶を飲むこと、好きな音楽をかけること、お友達と一緒にランチすること、これらのようなごく普通のことでもその人にとっての大切な生活要素であり非常に有意義なレクリエーションになります。
介護の業界ではこのような当たり前のことをすることがなかなか難しい世界です。

レクリエーションは機能訓練を交えても良いが無理に運動でなくてよい

レクリエーションは体や頭を使わないといけないものだと思っていますがそういうものではありません。
読書が好きな人は一人で本を読むこともレクリエーションかもしれません。一人で本を読むという過ごし方がその人にとっての大切な生活の時間だからです。
現役世代ならば、仕事や家事の合間の楽しみがレクリエーションです。
レクリエーション=余暇ですが、介護の場合には臥床・安静・食事・排泄が生活の中心となりやすく、その合間の楽しいことがレクリエーションになります。

介護で行われるレクリエーションの目的とは?苦手ですよね

集団レクリエーションは飲み会や慰安旅行的な意味合い

もちろん介護施設などでレクリエーションとして行う場合には集団での効果というものを狙う場合もあります。
集団レクリエーションとしての目的を問われるならば、親睦を深めることや、所属感や承認感を得て、その後にもその集団の中で活動していきやすい関係性を築くことなどになります。
例えば、今まで趣味として行なっていた手芸や工作などの活動でも、みんなと一緒に行うと新しい発見があったり、新しい方法を教えてもらったりと言う、その人にとってもその集団にとってもプラスとなるポイントがあります。
納涼祭や新年会などは介護施設では「行事」というジャンルで別枠になることが多いですが、非常に意味のあるレクリエーションだと思います。

レクリエーションの目的は心の余裕と欲求を満たすこと

色々な事を考えながらレクリエーションの企画や運営を行うことは大変なことですが、集団で行う場合にはみんなでやるからこそプラスになることポジティブになることということを一つぐらいはあげておいたほうがみんなの動機付けになります。
レクリエーションを行う際には利用者の状態や身体の状態、気持ちのことなどをしっかりと情報を聞き出して本人のご様子を確認しながら検討していく必要があります。

集団レク=全員参加するべき活動という誤解

とにかく集団に参加してもらわなくちゃいけないという一方的な思いで集団レクリエーションに誘い出すと、苦痛でトラウマになり二度と参加してくれないこともあります。ケアプランのニーズとしてよく交流や社会参加という言葉があります。特に近年はケアマネジャーにも介護福祉士にもICF的な人や生活課題の捉え方が推奨されています。実際は何でもかんでも交流してほしいというニーズというよりは、趣味が合う人や自分が好きなことなどだったらみんなと一緒に共有したいという本人の気持ちが強くあると思います。

レクリエーション=利用者同士がかかわることという誤解

レクリエーションというと、利用者同士が交流したり会話したりすることが必須と考えられることがあります。別に利用者同士でなくてもいいと思います。職員が相手になったり、一人で何かしているのをたまにフォロー入れてあげるだけでもレクリエーションとしては十分意味を持ちます。

居心地の悪い環境に追いやられると、人の心は荒み、本来の自分を発揮できない

みんなそうだと思いますが、自分が好きでもない集団や全く興味ない活動をみんなと一緒に行ってもなかなか親近感がわきませんし、その場にもう一度行きたいという意欲も湧きづらいものです。アウェイな環境や、自分の存在に自信が持てない場所では、その人の持っている能力や魅力が全く発揮されません。
レクリエーションは心地よく楽しく追求していくということが大切です。

レクリエーションは、第1に心地よさ、第2に楽しさ、第3に追求

実際にレクリエーションを考える時には、心地よさを第1に、楽しさを第2に、追求することを第3に考えていくと、実際にご利用になる方にとって有意義な活動を提供できるかもしれません。介護施設のレクリエーションの定番と言えば風船バレーですが、楽しがってやってくれる人もいれば、絶対嫌だという人もいます。機能訓練的な面で考えれば、上肢を上に挙げて動かしたり、座位や一部立位で体重を前後左右に動かしたり、ボールを目で追ったりと普段使っていないような機能を使っているという側面はあります。

学生の部活動や同好会がある種目はレクリエーションにしやすい

第3に追求をあげたのは、その場限りで終わってしまい、その経験がその後に活きないような活動や、練習したり研究したりして上手になったりする奥行きがない活動はもったいないという意味です。せっかくレクリエーションをするなら、その活動が持つ奥深さを体感して、追求していけるようなものがいいですよね。学生の部活動や同好会として存在している種目は、奥深さが合って競い合ったり発表しあったりできますよね。スポーツ、魚釣り、将棋、茶道、華道、文学など、○○部、○○同好会とついているものは、その奥行きがある活動なのでレクリエーションのヒントになるかと思います。

全員必ず参加するという呪縛から解かれるとレクリエーションは正常化するかも

レクリエーションでゲームを考えたり、全員を無理に参加させるためにレベルを下げたことを行ったりする必要はないと思うのです。
機能訓練としての目的で行われる小集団での活動であれば、多少単純なことや風船バレーのような形があってもいいと思います。
しかし、自尊心も高くあり今までに幼稚なことを拒んできたような方にとって、介護施設ではこういうことをみんなで一緒にするんだという、昔からの介護施設ならではの価値観を押し付けて、幼稚なゲームなどを提供することはその人にとっての尊厳を著しく傷つけることになります。

混合介護などの整備で、介護保険で提供される介護サービスと、介護保険では位置づけにくい本人の希望するサービスの両方がかなえられるような制度に移行していきます。介護を受ける側も団塊の世代に近づき、利用者の価値観の多様化も進みます。
従来の介護施設が持っている価値観を、これから介護を受ける多様な価値観や生活様式を持っている人たちに押し付けることはなかなか難しくなります。レクリエーションの見直しは、介護スタッフだけであーだこーだよりも、ご利用者のことを考えながら行ってみてください。

ただし、この記事で伝えてきたレクリエーションについては持論であり、レクリエーションを専門的に研究教育している機関は必ずしもこういうことを考えているわけではありません。

最後までお読みいただいた上で恐縮ですが、レク協会のリンクも掲載しておきますので、本当のレクリエーションはこちらのサイトでご確認ください。

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